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文慈部:あなたをそこから自由にする名文たち

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「読書をお金に換える技術」からの文を慈しむ。(1)

本気で稼ぎたければいつも一段上から物事を俯瞰する癖をつけて、のめり込むのではなく、誰が一番得をしているのかを洞察することだ。

「読書をお金に換える技術」 p46

文と書籍の解説。

読書とは、暗に横たわるこの世のルールを知るためのもの。今はそう思っていたい。そこを知るものが生き延び、成果を得るから。この格差のある世の中では。

お金というものにどんな印象をお持ちですか?
お金云々と言うと、どうもいやらしく思えたり、エゲつない話題に感じる方もいるでしょう。私とて得意な方ではありません。ですが、お金の稼ぎ方とそのメカニズムを広い視野において身に付けておくことは、賢くたくましく生き延びることを意味する。どんな時代どんな場所でも――そんなことを順を追って思い知らされる今回の一文です。
本とお金との因果関係は後述していきますが、そのようにして結果的に自らの身を助けることにもなる読書法、もしくは本との向き合い方を体得することは大きな成長に繋がると本書は教えてくれます。そう考えると、技術とタイトルにありますが、技術よりも科学、科学に付け加えて智慧といったところです。
ではその智慧をのぞいてみましょう。

さあ、資本論を読め。

本書には決して小難しい話は出てきません。むしろ単純明快過ぎるほど。竹を割るような叱咤激励があなたの心に訴え、ガンガン響いていきます。
まずは本の選び方から。やがて読書を通してあなたが学ぶべき経済観念や成功哲学にまで派生。ただ全体的に浅く広く感は否めず、あくまで本をどう読むかの超入門編という感じも。根っからの読書家ならばもう既にわかりきっていることかもしれません。そこに物足りなさを感じる方は、他所でレビューを見る限りでは多いようです。
私見ではそこに頷きながらも、あえてふとした時に戒める書として置くならば悪くないと思っています。もしくは次世代にわかりやすく伝えていくための書として。

ページはどんどん進む本です。読み進めていくと、今回の文と類似した箇所に出くわします。この20ページほど後で登場しますが、これまた印象的!
それは――カール・マルクスの 「資本論」 を読むことを強く薦めているのです。

それは何故か?

資本論なんてなかなか取っ付きにくそう。何だかイデオロギーに偏っていまいか。
そんなイメージを持たれる古典かもしれません。しかしそれは誤解で、植えつけられた偏見に過ぎません。触れてみれば杞憂に終わります。
その内容には資本主義経済の本質がドライに解析され、まさに今回の文のヒントにもなる隠されたカラクリがわかり始めます。
労働とは何か。何故私たちが思うように稼げないのか――お金への英知が身に付くと言っても過言ではありません。このようにして、世界中で受け継がれ、読まれてきた古典には読まれるべき大きな理由があります。

その先には必ずこんな不都合な真実が。

とは言うものの、この資本論。原文はかなり難解で薦められません。
そこで優秀な解説書が多く出されていますので、それらをオススメ。私も以前から資本論には興味があり、読んできたものの中からの一例です。参考になりましたら幸いです。

「超入門 資本論」
「池上彰の講義の時間 高校生からわかる「資本論」」
「武器としての「資本論」」
「いま生きる「資本論」」

前半の2つは特にオススメです。実によく噛み砕かれ、社会の俯瞰・洞察の訓練になること請け合いです。また、各々焦点やアプローチが異なることもあり、多角的に知るため、読み比べが最適です。

概して、経済社会の利害を把握すれば、自分どう生きるかの戦略が立てられ、多くの選択肢から自由に物事を選べるようになります。
それがわかる一方で、悲しいかな、著者の千田琢哉氏が言わんとする本書の本質は、貧困と情報弱者の関係は正比例だとも読めてきます。
勿論私にしても著者にしても、これは誰かを侮辱するということでは決してありません。逆にこの不都合な真実に気付いて目を向けられるかが問われている気がしています。いち早くそれを知るか、知らないままで終わるか。だからこそ私自身も学び続けようと強く思わされます。
かの福澤諭吉も名著 「学問のすすめ」 において、現実問題として格差を認める発言をしています。そして続けます。だからこそこれからの時代は学ぶのだと。彼は実のところ相当なリアリストでもあったのです。

おわりに。

世の中には必ずと言っていいほど、メカニズムや摂理の存在が。それらはルールとも言い換えられます。
私たちはスポーツやゲームをする時にルールを知ろうとします。勝つために。もしくはルールを駆使しようとします。勝つために。全く同様に、この世にも歯車を動かす見えないルールがあり、それを知っておかないと、人生ゲームに勝つことは出来ません。
読書が 「お金に換わる」 という表現は性急過ぎて大袈裟だとしても、勝つために、得るためにルールブックを読んでおくことが読書のもう一つの姿でしょう。せっかく本を読むからには意味のあるものにしませんか?
私もさらに読書中です。いろいろと霧が晴れるが如く、見えてくるのが楽しく感じられます。そんなキッカケを与えてくれる一文です。
学ぶことはルールを知ること。そして真実を知るために読むから、綺麗事は要らない。

著:千田琢哉
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今回登場したその他の参考書籍

著:木暮 太一
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東洋経済新報社
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著:優, 佐藤
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ブンジブ主筆、そして編集長。知的好奇心は尽きず、月30冊の読書量をもっと増やしたいと願う毎日。