
書籍の紹介とひと口メモ。
この書籍で見つけた台詞。
ひと口メモ。
ヘルマン・ヘッセはドイツ生まれのスイスの小説家。とは言うものの、一応文学史上の分類では20世紀前半のドイツ文学を代表する文豪として知られています。この辺のお話はなにぶん時代が時代なもので、このように流動的になってしまうのも致し方無いかと思います。私個人としては今までずっとドイツの作家だと思っていました。
そのヘッセの半生は先述のように時代背景も手伝い波乱に満ちたもの。だからなのでしょうか、作風は穏やかな精神世界を描くものが多く、ある種の宗教観と言いますか、落ち着きを感じさせます。今回のこのような書籍に取り上げられたことと、その名文にもうなずけます。また、これだけでなく多くの名言が残されているのも特徴です。その中には諭されているようなものから、禅問答のように一瞬逆説的だと思えるものもありますね。例えばこちらの本。
「人は成熟するにつれて若くなる」
エッセイのタイトルにもなっています。
ヘッセの作品も、今回紡ぎ出された文もまるで仏教の執着を手放せとの教えのようにも思えてしまいます。正しいかどうかの答えはわかりませんが、何もしないこと、何も無いことで気付く強さというのも、これまたヘッセらしい感性のように感じさせます。
今回の偉人の名文のおさらい。
しっかり握りしめることで人は強くいられると思う人もいる。
ヘルマン・ヘッセ (Hermann Karl Hesse)
だが、手放すことが人を強くすることもある。